「災害のリアル」SWAN SONGをプレイした感想

詳細

 

タイトル名SWAN SONG
ブランドFlyingShine(販売元はLe.Chocolat)
レーティング18歳以上対象
発売日2005年
ゲームジャンルビジュアルノベル
シナリオライター瀬戸口廉也

 

こんな人におすすめ

・シナリオ重視の物語を楽しみたい人
・割とリアルな設定な物語を楽しみたい人
・安価でゲームをプレイしたい人

ストーリー

その夜。
それまで通り過ぎるだけの他人だったぼくたちは
大きな運命の煮えたぎる一つの釜の中に投げ込まれてしまった。

まもなく一年を終えようとする12月24日。
降誕祭の前日。その山奥の都市には昼頃から雪が舞い落ちて、
ホワイト・クリスマスを祝う喜びに満ちた空気が街中を覆っていた。
レストランや駅を飾るイルミネーションは、陽が落ち、人々が眠りについた後も、しずかに瞬いていた。

その幸福な眠りを乗せた大地が、突如として揺れ、そして平和な世界は一変する。
アスファルトは裂け、建物は崩れ落ち、暗闇のあちこちから恐ろしい悲鳴があがった。
ごく平穏な住宅街の光景は、瞬時にして地獄の景色となる。
その街で一人暮らしをする大学生尼子司は、混乱の中で奇跡的に一命を拾った。
廃墟のなかを彷徨ううちに自閉症の少女八坂あろえと出会う。
そして彼女と共に避難先を求めて歩きはじめた。
風が強くなり、すっかり吹雪となってしまった街。
瓦礫を踏みしめながら、司たちは辛うじて体を風雪から守ってくれる建物を見つけた。
それは古ぼけた教会で、司はひとまずその場所で休憩を取ることに決めた。
司と同じ様に地震で家を失った若者達が、やはり同じ様にして、集まってくる。

そうして、雪の降る教会で、彼らは出会った。

FANZA商品ページ

レビュー

ストーリー

3.5
音楽
3
グラフィック
4

感想

リアルな情景描写で割と暗い話です

 

ストーリーはざっくりいうと真冬の季節のなか巨大地震に主人公たちが巻き込まれ見ず知らず若者同士が共同生活をしていく話です。

実はゲームのパッケージを飾るショートカットの女の子は発達障害(自閉症)の既往があります。

食料や生活必需品などがほとんどなくこれからどうしていこうかと頭を悩ませるなかで、自閉症を持った女の子 あろえは勝手気ままに行動します。

みんなで生き残るためにちょっとハンデとなるこの女の子をこれからの生活でどうしていくのかやあろえの奔放さが本当の自閉症の子の症例をみているようで結構リアルな描写だったので面白いです。

 

ストーリー自体はそこまで長い話じゃありませんでした。(個人的な体感)

話の流れとしてはプロローグが始まってから各キャラクターの視点になって物語が進んでいきます。

最初は一致団結しながら生活していた主人公達にも段々と軋轢が生まれ始め、

嫉妬、恋心、恐怖、葛藤、不安、怒りなどなど様々な感情が浮き彫りになりしかもそれが自然な形でストーリーに組み込まれているので違和感なくスッとキャラクターたちの思いに共感でき、感情移入はしやすく物語に没頭できました。

 

あとは極限状態になったときに人がどういう行動を取るのかが割とリアルに描かれているのかなと思いました。

きれいごとを言っても足りない食料は補えない、誰かが所有しているものを奪って自分のものにしてしまいたい、仲間割れや派閥ができるなど

その人が持っていた元々の性格や欲望のようなものが垣間見えるシーンもあり映画「ミスト」ぽさを感じました。

 

 

音楽は聖歌のような曲が流れたり芸術作品っぽい感じです。

(ちなみにSWANSONGは〔芸術家などの〕最後の作品[舞台・活動]という意味らしいです)

物語の主人公が元々ピアノの奏者であったり、最初に主人公達が共同生活を送る場所が教会ということからも何やら芸術に関する雰囲気を感じ取れました。

 

グラフィックはやや昔懐かし感じの絵のタッチですがキャラクターは個性的に描かれCGもきれいでした。

 

個人的にメニュー画面と設定画面の文字が手書き文字のような表示でちょっと見づらいと感じることもありましたが段々と見慣れ、逆にその粗雑な感じが物語にマッチしてきて最後は気に入りました。

(ちなみにこんな感じです↓)

 

Hシーンについて

恋愛から発展しHにいたる描写もありますが、立場の弱いものをさらに数で脅して襲ってしまうなどの凌辱描写もあります。

 

さらにはある人物が自閉症であるあろえをその毒牙にかけるシーンも存在します

 

そういう描写が好きな人には結構実用的な作品かもしれません

 

クールで基本表情を変えない主人公がヒロインと黙々とS〇Xしてるシーンはちょっとシュールで笑えましたw

 

終わりに

このゲームを開始したのがこの作品の時期に合わせてクリスマス後にしたのですが、のんびりゲームをしていたらいつしか年を越すまで来てしまいました。

巨大地震が起こって物語が始まる今作ですが、嫌な偶然が重なり今年の元日は能登半島地震が起きました。

感想は上記に書いたこととあまり生々しい描写は記述していないしあえて書こうとも思いませんが、病気が流行ったり、二次災害が起きたりと大変な状況がゲームの中でも現実の方でも発生し結構精神的にくるものがありました。

 

なので赤十字社の令和6年能登半島地震災害義援金において復興の一助になればと思いわずかですが寄付をさせていただきました。

被災された皆様ならびにご家族さまに心よりお見舞い申し上げます。

 

 

 

 

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